天国のような天空の湖パンゴンツォ。
2度目のインドではじめてのラダック。
映画「きっとうまくいく」のラストシーンで観た、屈託のないチベット系民族の子供たちの笑顔と広くて青い空が写り込む大きな湖がとても印象に残っていて、もともとチベットに興味があったこともあり、チベット文化圏が今も残っているというラダックへ行こうと思い立ちました。
高い岩山に囲まれた広くて青い空が広がるレーに降り立つと、強い日差しととてもさわやかで澄んだ空気。タルチョと呼ばれる経文が記された五色の旗がそこかしこに旗めいていて、チョルテンという仏塔もあちらこちらに。3000m超えの環境で荒涼とした光景が続く中、水辺に近い場所は人々の暮らす村になっているところが多く、緑や花で満ちていて人々の営みが感じ取れるとても美しい光景でした。アルチがまさにそういうところのひとつで、ホテルでのんびり過ごす時間が穏やかで心地よかったです。
ラダックではたくさんのゴンパと呼ばれるチベット仏教の僧院を見学。趣は違えど日本の仏教に通ずる部分も多く、日本から遠く離れた異国の辺境の地でとても親近感を覚えました。ラマユルゴンパではちょうどお勤めの時間で、たくさんの僧侶がその僧院の高僧を出迎える場面に遭遇し、高僧から直接お声がけいただくことができました。現地の方にとってそれはとてもラッキーなことだそうです。またティクセゴンパでお目にかかった薬売りの僧侶もとても穏やかな微笑みの持ち主で、接しているだけで自分の中の何かが癒えていく感覚を覚えました。ラダックの人々はどこに行っても穏やかで、ラダックを離れた途端に恋しくなるほどでした。
今回のいちばんの目的だったパンゴンツォは、道中の5000m超の峠越えがなかなか大変でした。日本から高山病の薬を持参していたので、幸い高山病にはならずでしたが、クルマでの移動で激しい急カーブや悪路続きのため友人がひどい車酔いになりました。ただそのときは車酔いなのか高山病なのかわからず不安になりましたが、ドライバーさんが若いながらもとても頼りになるたくましい方で、適切な対処やアドバイスのおかげで大事には至らず、なんとか無事にパンゴンツォへたどり着いたときの安堵感がハンパなかったです。
天空の湖と呼ばれるその湖は、ここは天国なんじゃないかと思えるほどの絶景でした。少々過酷な道中を一緒に乗り越えた友人やガイドさんたちと仲良くなり、湖畔で子供のようにはしゃいだ時間は、一生忘れることのない想い出になりました。
ラダックの後も、デリーやアグラで世界遺産を見学でき、多民族国家のインドを濃密に垣間見ることができます。ガイドさんもツアー中ずっと付き添ってくれ、ラダックではさらにもうひとり現地ガイドがついて、とても贅沢で安心なプライベートツアーでした。
